小川仁士選手スペシャルインタビュー(令和3年9月実施)

ページ番号1010456  更新日: 2025年10月30日

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小川 仁士 氏(Ogawa Hitoshi)

写真:小川仁士選手

2021年:北区区民文化奨励賞受賞
2022年:北区スポーツ大使就任

競技

車いすラグビー

北区との関係性

第三岩淵小学校卒業

稲付中学校卒業

生年月日

1994年6月2日

所属

バイエル薬品株式会社

主な経歴

2019年

IWRF 車いすラグビー アジア・オセアニア選手権大会 2位

2021年

東京2020パラリンピック 銅メダル

2022年

WWR世界選手権(デンマーク) 3位

2023年

WWRアジア・オセアニアチャンピオンシップ(東京) 1位

2024年

パリパラリンピック 金メダル

車いすラグビー日本代表 小川仁士選手にお越しいただきました(大会報告)

東京2020パラリンピック競技大会の車いすラグビーに出場し銅メダルを獲得した区内小学校・中学校出身の小川仁士選手から北区長にパラリンピック出場の報告をしていただきました。

写真:小川仁士選手1

写真:小川仁士選手2


小川選手へのインタビューも実施しました!
※質問内容は東京2020大会プロジェクトチーム(愛称:#ときおぱ)のメンバーが考えました。

写真:小川仁士選手3

Q 車いすラグビーは激しい競技ですよね。
A
 そうですね。車いす同士の接触が認められているスポーツなので、激しさはパラスポーツで一番だと思います。
―オーストラリア戦はディフェンダーの方が連携して上手く相手を止めていて、本当に感動しました。
ありがとうございます。僕もディフェンスの役割なのですが、障害が軽い選手がいかに楽して得点ができるかというのが僕たちの役目なので縁の下の力持ちのような感じです。スポットライトを浴びるポジションではなんですけど。

Q 相手の動きを止めるには。
A
 僕たちは障害が重いので、障害が軽い選手とヨーイドンすると絶対に負けてしまうので、先回りして走るコースを読んでいます。
―相手の動きを読むことが一番重要ですよね。
そうですね。経験だったりしますね。

Q 普段はどうやって体を鍛えていますか。
A
 動かせる筋肉が少ないので、動かせる筋肉だけでウェイトトレーニングをしていますが、ほとんど車いすに乗りながらのトレーニングが多いです。

Q 専用の車いすは丈夫ですか。
A
 丈夫です。ぶつかったぐらいでは壊れないです。障害の軽い選手は1年~1年半で買い替えたりしますが、僕は今の車いすは3年ぐらい使っています。

Q 車いすは何種類ありますか。
A
 2種類あります。オフェンス用とディフェンス用です。オフェンス用は小回りが利くように丸く作られていて、障害が重い選手が使うディフェンス用はバンパーというものが付いていて、そのバンパーでタイヤを引っかけて相手の動きを止めるようにしています。オフェンス用と違って、小回りが利かないというデメリットがあります。役割によって車いすが違います。
―ゴール前でディフェンスの選手がルートを確保して、そこをオフェンスの選手が通って得点を取る場面を見ていると気持ちいいスポーツだなと感じました。
そうですね。僕たちもブロックした時に気持ちいいなと思います。得点ではないのですが、ブロックが決まった時はすごく嬉しいです。

Q ボールは丸いのですか。
A
 そうですね。バレーボールをベースに作られています。滑りにくい加工がされています。ボールに黒い部分がありますが、選手が松脂(まつやに)を付けて、ボールをキャッチしやすくしたり、車いすを漕ぎやすくしています。使い込んでいくと白いボールが黒くなっていきます。

写真:小川仁士選手4

Q パラスポーツの中でも車いすラグビーを始めようと思ったきっかけは何ですか。
A 
18歳の時にバイクで怪我をして、国立障害者リハビリテーションセンターに入院している時に、今の日本代表の島川慎一選手が練習をしているのを見て、「カッコいい」と思って競技に一目惚れしたことが始めたきっかけです。

Q 競技は何年ぐらいやっているのですか。
A 
7年やっています。

Q 嬉しかったことや感動したことなど、大会期間中に最も印象的だったことはなんですか。
A
 試合もそうですが、チームが一つになることを目標にやってきて、毎日ミーティングを重ねて、選手一人一人が年齢差関係なく意見を出してチームが一つになったことで、銅メダルが取れたことだと思っています。

Q 銅メダルを獲得した時はどのような気持ちでしたか。
A
 正直なところ嬉しさがほとんどなくて、悔しいという気持ちが大きかったです。日本チームの選手みんなも同じ気持ちだったと思います。

Q 代表チームの雰囲気はどのような感じでしたか。
A
 準決勝でイギリスに負けた時に落ち込んで、選手みんなが立ち直れない状況でした。そのような中、選手村に帰った後にキャプテンがみんなを集めて、「自分たちの実力に見合った色のメダルしか取れない、それでも3位決定戦がある明日は絶対に来るので、応援してくれる人たちのためにも、形になるものを必ず持ち帰ろう。」と話してチームが一丸となりました。

Q チームプレーで大切なことはどのような点だと思いますか。
A 
コミュニケーションが日本の強みで、年齢や経験に関係なく、一人一人が意見を言ってチーム作りができたことが良かったと思います。

Q パリパラリンピックに向けて、チームに必要なことは何だと思いますか。
A
 もっとチーム力を上げたり、一人一人のパフォーマンスを上げることだと思います。

Q パラスポーツについて、お話を聞かせてください。
A 
パラスポーツは健常者も一緒にできますが、競技としてやることはできなくて、楽しむ程度になってしまいます。障害を負った中で、壁を乗り越えて大きな舞台に立っているという背景も見てほしいと思います。

Q 「自分らしく生きること」をテーマに講演もされているということですが、小川選手の自分らしさとはどのようなところですか。
A 
持ち味である明るさを無理してでも出すことで周りも明るくなりますし、周りも明るくなることで自分も明るく生きていけるので、明るさと笑顔を忘れないようにしています。

Q 試合や練習で持ち味である明るさが活かされた場面はありましたか。
A 
印象に残った出来事は、僕と同じクラス1.0の若山英史選手と今井友明選手がいるのですが、この二人は僕よりも明るい選手で、チームが負けていて、どれだけ暗い雰囲気になっていてもムードメーカーになってチームを盛り上げて、予選リーグのフランス戦も途中までは負けていたのですが、そのムードを変えたのがあの二人だと思っていて、それが勝利に繋がったと思っています。チームのムードメーカーを僕も担えればいいなと思っています。

Q 車いすラグビーに取り組んでいる子どもたちにアドバイスはありますか。
A
 今車いすラグビーをやっている子どもたちは、ぜひ続けてもらって、いつかは一緒にパラリンピックに出たいと思っています。

Q 今後の目標を教えてください。
A
 パリパラリンピックも目標ですが、来年は世界選手権があるので、前回大会で優勝しているので連覇ができるように取り組みたいと思います。その後はパリに出場して、もっと良いメダルを取りたいです。

Q 区民の皆さんへ一言お願いします。
A 
小・中学校は北区の学校に通い、2018年まで北区に住んでいました。怪我した後も北区の皆様に支えていただいたことで銅メダルが獲得できました。これからも応援よろしくお願いします。

写真:小川選手(報告会)

写真:小川仁士選手手形


大会報告は9月中旬に行っていただきました。

小川仁士選手、ありがとうございました。

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